日本企業が韓国人材の採用に乗出した。5日韓国のCOEXで開催した「グローバル貿易人材採用博覧会」に日本企業33社が参加した。ある企業は会社の紹介、売り上げ、主要取引先などを韓国語に翻訳した資料を配り、ある企業は韓国語で新入社員、代理、課長級の給料を公開する熱情を見せた。それほど日本企業の人材不足感は強い状況である。その分、当日の日本企業ブースに就活生の訪問が続いた。今回参加した日本企業3社(KB国民銀行東京支店、SBクラウド、シンメトリクス)の人事担当と採用についてインタビューした。通訳は日本で留学経験がある李 雅覼(イ・アラ)さんが担当した。

◆国民銀行東京支店「新入社員1~2名採用」

KB国民銀行東京支店は外国為替市場・企業投資金融分野で働く新入社員を1~2名採用する予定だ。日本語が上手で英語でも上手くコミュニケーションと文書作成が出来る人を優遇する。オ・ジソク国民銀行東京支店長は「経歴者より新卒者を採用するつもりだ」又「法学、商学、経済学を専攻して語学能力も優秀な人が理想的だ」と語った。現在、国民銀行東京支店では駐在員4名と現地採用者12名が働いている。その12名中で、日本人が5名、韓国人は7名であり、韓国人は全て新卒で入社した。オ支店長は「最近、日本の景気が良くて日本人の支援者は少ないと思うので、今回も全部韓国人を採用する予定」と語った。

KB国民銀行は採用博覧会で選抜した支援者は後程電話面接(韓国の居住者)或いは現地面接(日本の居住者)を行い、その結果を基にして内定を決める予定だ。内定者は三ヶ月の試用期間を終えてから正式な社員として雇用される。国民銀行東京支店の駐在員以外は全て契約社員であり、1年毎に再契約を行う。オ支店長は「毎年契約するが、特別な理由がない限り、契約は継続して更新する」又「入社してから5年が経ったら日本の労働基準法によって無期契約社員への転換も可能である」と付け加えた。

新入社員の年収は住居費と交通費を含めて300万~350万円(韓国ウゥンで2950万~3450万ウゥン)くらいである。オ支店長は「日本企業と同じか少し高いくらいであり、扶養家族がいる場合は住居費と交通費を追加的に支払う予定」と語った。又、オ支店長は応募を考えている就活生に「本当に日本で長く働く覚悟で準備して応募するといい結果を出せる」と強調した。KB国民銀行は応募フォーム(履歴書、エントリーシート、経歴書)をメール(kbg142318@kbfg.com)で受付している。

◆「韓国人は語学力と向上心が高い」

日本のソフトバンクの子会社であるSBクラウドは韓国エンジニアを採用している。SBクラウドは2年前にソフトバンク(60%)とアリババ(40%)が投資して作った日系会社だ。アリババのクラウド技術を世界中に広げるため、グローバル人材を採用している。既に約120名(11/1時点)の社員の中、数人の韓国人を含めた29%が外国人である。人材担当の李 承姬(イ・スンヒ)さんは「昨年入社した新入社員の中、凄く活躍している韓国人がいて再び韓国人を採用するために来た」と語った。

午前中、約10名を面接した李さんは応募理由と入社後にやりたい仕事などを聞いたそうだ。李さんは韓国人の強みとして「語学に優れたこと」を選んだ。彼女は「エンジニアとして技術のレベルは中国人より少し低いが、語学に優れて成長速度も速い」と言い、「経営者になりたいという夢を持つなど向上心が高いことも長所だ」と説明した。「しかし、まだ韓国の優秀な理系大学生は韓国の大手企業を好んでいるイメージがあるのは残念だ」と付け加えた。日本語能力について李さんは「日本語能力は高ければ高いほど良い。エンジニアであればコミュニケーションが出来るJLPT N2以上が望ましい」と語った。

◆「韓国人がホームシックで退社するのは残念」

日本のIT中小企業であるシンメトリクスはIT(情報通信)開発者を採用している。シンメトリクスは会社を広報するため韓国語版の資料を用意して就活生に配った。そして、既に従業員65名の中、10名が韓国人である。代表取締役の喝 明(カツ・アキラ)さんは「韓国人はやる気があって礼儀も正しいので、続いて採用したい」と語った。彼は既に採用した韓国人がホームシックで会社を辞めることが多いのは残念だ」と惜しがった。喝社長は「面接で『日本で働きたい理由』を質問して、本当に日本で長続きする意思があるかどうかを確認している」と語った。当日、シンメトリクスのブースには入社4年目で退社した韓国人パク・ソンウンさんが採用活動を支援していた。パクさんは「ホームシックで退社した」と言い、「非常に厳しい韓国の就活から逃げたくて日本就職を考えているのであれば、再度深刻に検討したほうがいい」とアドバイスした。

その上、喝社長は「韓国人同士で強く集まる文化」についても指摘した。彼は「プロゼックトでいい結果を出すためには様々な国籍の人達が工夫する必要があるのに、そういう時も韓国人は韓国人のみ集まる傾向がある」と言い、「この特徴は場合によって強みでもあり弱いでもある」と指摘した。シンメトリクスは新卒の給料(年収200万円)は別として、教育費と海外研修費を会社が負担し、社員寮も提供している。

記事作成:韓国経済新聞、Tae-Yun Kong

日本語翻訳:李 雅覼(イ・アラ)